なにか日本からできることはないかな?」
「じゃあリコーダーでも送ってもらえませんか?」
赴任して一ヶ月後、深く考えることなしに大学の先輩とはじめたこのザンビアリコーダープロジェクト。ただ寄付じゃなくて、こちらからもアフリカの楽器や生徒が演奏したCDを送る、音楽を通した国際協力です。市民ベースでやってる国際協力はめずらしいということで、先日新聞にも載り、その効果でまた楽器が集まってきているようです。
先日、一ヶ月の旅の後、無事第一弾のリコーダー(ソプラノ39本アルト15本)が日本から届きました。
昨日は音楽の先生とその生徒を集めて開封式を行いました。同僚の音楽の先生は2つのクラス(8学年、9学年(中1、中2))を担当しており、一つの教室にそれらの生徒が集められました。ちょうど12時ごろ、彼らにとっては最後の授業(学校は7時30分開始、13時10分終了)で、だら~っとした空気が漂っていたのですが、同僚が箱の中身を説明したとたん雰囲気が変わりました。
何人かの生徒はリコーダーが楽器と気付いたのですが、何人かの生徒の頭の上にはハテナマークがついています。きっとリコーダーなんて見たことも聞いたこともなかったのでしょう。
同僚と一緒に箱を開けると、拍手喝采!とりあえず写真を撮ろうと言ったのですが、生徒は「吹いてみたい!」と言って聞かず、困ったものでした。
同僚の手を借りて生徒をグランドに連れて行って写真を撮ろうとしたのですが、今度はほかのクラスの生徒たちが「なんだ?なんだ?」とグランドに出てくる始末。どうやって演奏するのかも、どこから息を吹き込むのかも知らないような子達が、生でたくさんのピカピカのリコーダーを手にとる事が出来たのは夢のようだったに違いありません。
自分が小さいときにおもちゃを親に買ってもらった時のように手触り、においなどすべてが彼らにとって新しく、クラスじゅうが幸せな気分に満たされていたように感じました。
私が思っていた一番の心配事は生徒が壊さないようにきちんと扱えるかということでした。
しかし同僚はサックスを大学で専攻していた人なので、だいたいの使い方や管理は心得ており、一番初めにどうやってリコーダーを管理していくかをみんなで話し合っていました。
彼らの姿をみてきっと届いたリコーダーはちゃんと使われるだろうなと思い、ほっとしました。
結局、同僚の担当する80分の音楽の時間は箱の開封、プロジェクトの説明と写真を撮る事で終わってしまいました。ただ、生徒たちにとって日本からリコーダーを送ってくれた人たちの気持ちを考えさせるいい機会になったのではないかと思います。
授業後に6人の生徒を集めて練習をしてみました。
「ド」と「レ」を教えたのですが、音が出ることに生徒は興奮して、「せんせー、こんな感じ?」と言って僕の説明はそっちのけで、みんな夢中になって練習しています。きっと30人とか大人数でやると大変なことになるんだろうな・・・・と思ったのですが、生徒たちが真剣に練習する姿を見ると、「きっとリコーダーも喜んでるんだろうな。」なんて思いました。
彼らと一緒に練習していると、音に対する感動がよく伝わってくるので、自分も小さいときに感じた音楽に対する感覚が思い出されます。たった2つの音だったけど、いろいろなことを考えさせられました。
これから8月6日のコンサートに向けて猛特訓が始まります。
木村 光宏
2009年7月28日火曜日
ザンビアリコーダープロジェクト
時刻: 火曜日, 7月 28, 2009
ラベル: ZAMBIAについて, 木村 光宏
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