2011年11月30日水曜日

東北行き

続投になります。
今週(30日深夜)から震災支援で東北へ入りますので、ご報告申し上げます。
詳細は広大のHPにアップされておりますのでご覧ください。
http://www.hiroshima-u.ac.jp/news/show/id/12491
 慌ただしい師走に入ります。最近の震災支援の状況をお伝えします。
3月にIDECで結成された震災復興支援ボランティアOPERATIONつながりは、おかげ様で継続的に学生主体の震災支援活動を続けております。ここでは、「組織」というキーワードで幾つかの活動に触れたいと思います。
 ある目標(ここでは被災者の精神的健康維持)を達成するためには、様々なアプローチが考えられますが、私がこのOPERATIONつながりという組織を通じて行っている手法は、
・事業計画(企画書)の策定 (→団体のポリシーに基づいたもの)
・完全分業化(それぞれの担当部署が仕事を受け持ち独自に動いている)
・意志決定機関である3種類の会議の設定(幹部会・総会・部会)
・複数媒体による広報活動(大学HPに震災ボランティアのアイコンを作ってもらいました!)
・大学・企業・自治体との連携
があります。被災地の課題・ニーズを明確化し、それに基づいた大目標や小目標を設定し、活動内容を具体化していく。この過程は国際協力の分野等で用いられているPCM手法が大いに参考になりました(評価にまでは至っていないですが)。この方法で、現在までに大小17の企画が成され、さらに現在も大きな企画が進行中です(参考資料)。
 例えば、今回の東北派遣は主要企画の一つですが、留学生を含む26人の学生が現地で1週間活動するため、企画、交渉、広報等をスムーズに回すために、統括としてフルに頭を使っています。その中でも特に鍵となる部分は、資金の調達、地域企業との連携です。大学との交渉を実のあるものとするためには、団体のこれまでの実績を分かり易くアピールしなければなりません。そのためにマスコミに上手くかんでもらいます。テレビ・新聞・ラジオ等に頻繁に取材してもらっています。そして、広大と産学連携している企業様に協賛品をお願に回っています。ここでも如何に団体をアピールできるか、マスコミにかんでもらうかが鍵です。この東北派遣では、にしき堂様(もみじ饅頭)、イシカワ様(黒豆)、猫島商店様(広島菜)、あせひら様(ヨーグルト)から協賛品を頂いております。
 これらの活動が学部生主体で動かせるようになったことが、大きな成果です。学部生にこのムーブメントを受け継いでほしいですから。また、この経験を国際協力の現場で生かすことができると確信しています。震災復興という大きな目標に向かい続けるために、これからも如何に組織を上手く動かして行くか、頭が休まることはありません。Taikaindia

2011年11月22日火曜日

国際協力という悩み

早いもので、IDECを卒業するまで半年を切りました。悩んでばかりだった割には、自分はここで何が得られたのかということを自問する日々です。いろいろと事情が重なり、今のフィリピンというフィールドでやり始めてから1年で修論をまとめなければいけません。正直、もう少し時間をかけて一つのことをやり切りたいと思ったりもします。
 私はこのIDECで国際協力を学んできましたが、未だに「国際協力」とは何かを自らに問うています。机上で途上国を想定した論を転がすことがそれに当たるのでしょうか?対象の国に入り人々の意見に耳を傾けることでしょうか?途上国の人々の意識や政治のシステムを変えることでしょうか?それともこれら全てを同時に行うことでしょうか?この研究機関を出て、より責任を背負う立場に立った時、この問いはいっそう色濃くなり自分に振りかかってくるのだと思います。ただ、私が最近思うことは、ここでやっていることが、途上国の現状と程遠いものではないのかということです。
 例えば、少し飛躍した話ですが、今、コンゴ民主共和国では、資源争奪が原因で民兵、政府軍の間で内戦が続いています。村が襲われたくさんの住民が暴力を受け難民となっています。その内戦の大きな要因が、先進国が生産する電子機器(携帯・PC)の原材料になるレアアースという希少天然資源です。日本人は膨大な電子機器を購入し捨てています。それは持つ物と持たざる者の間に起こる負の連鎖だといえます。
 私たちは、国際協力を学んでいて、今後、それを実践(?)していこうとしています。しかし、一般的な日本人と同じように電子機器をふんだんに使い、エネルギーを使って当たり前に生活しています。コンゴの内戦について考えているでしょうか?それに対して小さなアクションを起こしているでしょうか?途上国と資源の問題は、畑違いかもしれません。だから、身近なこと(途上国とリンクしたこと)に無関心でよいのでしょうか?むしろ一般的な日本人より私たちの方がそのような事に関心が強いことが普通なのではないでしょうか。
 一つ気付いたことがあります。国際協力が「目的」になってはいけないなあ、ということです。何らかの原因(経済格差・民族対立・天災)で苦しい状況にある人々が、少しでもその状況から抜け出せることが目的であるべきです。そのためには、まず、国際協力を扱う人間が「身近な実践家」であることが必要なのではないでしょうか。また、悩みが深くなりました。
Taikaindia

2011年11月15日火曜日

時間の経過は早い

早いもので大学院に入学してから1年半が経過しました。
そして最後にアフリカの地を踏んでからもう3年が経とうとし、
タンザニアを出てからは5年も経ったのかと思うと不思議な気がします。
いつか行きたいと思いながらずーっと行けずにいるのはさみしい限りです。

なんとかお金を貯めて調査に行きたいものです。

2011年11月2日水曜日

修了後

みなさん、こんにちは。
元馬場研究室の中和(旧姓:澁谷)です。


3月にIDECを去り、今は東京の私大で働いています。

つい先ほど、馬場研のブログを拝見しましたが、皆さんとても
バイタリティある方々ばかりですね。
その個性にただただ、圧倒されるばかりです。

1年目ということもあり仕事量を加減されているはずなのですが、恐ろしい分量
の仕事が降ってきて
研究時間を確保するのが大変です。

去年の1年は論文を書くためだけに自分の時間を費やしていましたので
発表練習やレジメ作りなど思う存分時間をかけることができていました。
(その時は、それなりに必死だったように思うのですが・・・)

今はひ~ひ~言いながら、発表の準備をしたり練習をしたりしています。


でも、仕事はとても楽しいです!

今までも、途上国の教員養成についての話や教師の意識的変容について
議論することは少なくなかったのですが、自分が教員になり、意識を変えることって
すごく難しいな、ということが実感としてあります。

そして大人の意識を変えること、職能成長していくことは、子どものそれよりも
何倍も難しいことを授業や色々な場面で実感しています(通信の授業では成人の
方々にも
授業を行っていますので・・・)

また、アフリカで働くことができる日まで、試行錯誤、失敗の経験は私に課せら
れた試練だと
思い、日々の業務と研究をガンバっています。

たまに、IDECが恋しくなるときがあり、渡邉さんや誰それに電話しちゃいま
す・・・!
Love、馬場研ということで、閉じさせていただきます。

皆さんも寒くなってきた西条で研究にいそしまれてください♪
それではまた来月!!


中和 渚

初めまして!

初めまして、島田功と申します。今、10月3日の入学式の後で、緊張しながら馬場研究室を訪問させて戴いたのを思い出しております。想像していた以上に多くの院生の方がおられ、しかも英語でお話しをされていたのにカルチャーショックを受けて帰ってきました。
私は、現在、東京の私立成城学園初等学校に勤務しております。成城学園は、幼稚園から大学院まである総合学園です。成城学園初等学校は大正6年の自由主義新教育が盛んな時に、澤柳政太郎によって創設されました。澤柳政太郎は、文部省(文部次官)を退職した後、東北帝国大学や京都帝国大学の総長をされましたが、その後、教育で一番大事な学校は小学校であるということで現在の成城学園初等学校(当時の名前は成城小学校)を作りました。その時に、長田新(広島大学名誉教授、ペスタロッチ教育学の研究で有名な教育学者)の推薦を受けて小原國芳が訓導として成城小学校に来られることになったのです。私はこの度、馬場卓也先生の下で博士課程の院生として勉強させて戴きますが、広島大学と成城学園初等学校との不思議なご縁を感じております。
私は東京におり、しかも現職でありますので、院生の方々にお目にかかることも少なくご迷惑をおかけすることが多いと思いますがどうぞ宜しくお願いします。
今、成城学園初等学校では、11月上旬の文化祭と小学校入試に向けて、1年間で一番忙しい時期に入っております。