2011年11月22日火曜日

国際協力という悩み

早いもので、IDECを卒業するまで半年を切りました。悩んでばかりだった割には、自分はここで何が得られたのかということを自問する日々です。いろいろと事情が重なり、今のフィリピンというフィールドでやり始めてから1年で修論をまとめなければいけません。正直、もう少し時間をかけて一つのことをやり切りたいと思ったりもします。
 私はこのIDECで国際協力を学んできましたが、未だに「国際協力」とは何かを自らに問うています。机上で途上国を想定した論を転がすことがそれに当たるのでしょうか?対象の国に入り人々の意見に耳を傾けることでしょうか?途上国の人々の意識や政治のシステムを変えることでしょうか?それともこれら全てを同時に行うことでしょうか?この研究機関を出て、より責任を背負う立場に立った時、この問いはいっそう色濃くなり自分に振りかかってくるのだと思います。ただ、私が最近思うことは、ここでやっていることが、途上国の現状と程遠いものではないのかということです。
 例えば、少し飛躍した話ですが、今、コンゴ民主共和国では、資源争奪が原因で民兵、政府軍の間で内戦が続いています。村が襲われたくさんの住民が暴力を受け難民となっています。その内戦の大きな要因が、先進国が生産する電子機器(携帯・PC)の原材料になるレアアースという希少天然資源です。日本人は膨大な電子機器を購入し捨てています。それは持つ物と持たざる者の間に起こる負の連鎖だといえます。
 私たちは、国際協力を学んでいて、今後、それを実践(?)していこうとしています。しかし、一般的な日本人と同じように電子機器をふんだんに使い、エネルギーを使って当たり前に生活しています。コンゴの内戦について考えているでしょうか?それに対して小さなアクションを起こしているでしょうか?途上国と資源の問題は、畑違いかもしれません。だから、身近なこと(途上国とリンクしたこと)に無関心でよいのでしょうか?むしろ一般的な日本人より私たちの方がそのような事に関心が強いことが普通なのではないでしょうか。
 一つ気付いたことがあります。国際協力が「目的」になってはいけないなあ、ということです。何らかの原因(経済格差・民族対立・天災)で苦しい状況にある人々が、少しでもその状況から抜け出せることが目的であるべきです。そのためには、まず、国際協力を扱う人間が「身近な実践家」であることが必要なのではないでしょうか。また、悩みが深くなりました。
Taikaindia

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