前回の投稿があまりにも短く簡単すぎたのでもうヒトフタコト。
昨日は、IDECの修士論文の発表会でした。
その後、当然のように打ち上げがあり、飲んで家に帰り、テレビをつけると、ニュースで村上春樹が文学賞を受賞したと。
イスラエルで授与されるエルサレム賞。
ほどよく酔った頭に、そのスピーチの内容はとても感動的に映りました。
スピーチ後にイスラエルの元首と握手を交わす村上春樹を見ていると、ハラハラドキドキ感と共に、意思を持つ人間の尊厳までもが強く感じられました。
スピーチの中で村上春樹が用いた「卵と壁」とは、普通はまず思いつかない喩えだと思います。文学の世界では普通のたとえなのかなあ?
でも、そこに込められている意味は、どこにおいても本質的なことのように感じました。
壊れやすい殻のうちに魂を秘めた卵が、高い高い壁と対峙している。
壁とは人に強制するシステムのこと。
いろんなものに喩えられそうなこの二つを、卵と壁とするところは、すごいと思う。
村上春樹のスタンスは、どんなに卵が間違っていても、常に卵の側につくというものだったけれど、研究者としては、卵の熟成を祈りながらも、または壁の改善を思い描きながらも、その意思は自分のうちに押し込めて、客観的に卵と壁それぞれを見ていかなきゃならないんだろうなあと、感じた今日この頃でした。
結論として、村上春樹はすごいと、あらためて思い直しました。
utti
2009年2月17日火曜日
卵と壁
時刻: 火曜日, 2月 17, 2009
ラベル: Generalなお話, 修了生
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