ご無沙汰しております。
広大の並木はだんだん赤く色づき始め、季節が変わっていくのを感じます。
さて、先日稲田大学でアフリカ教育研究フォーラムが開催され、馬場研から5人の学生が参加しました。
今回は、私にとって日本で初めての学会発表で、しかも英語での発表に挑戦しました。
準備は基本的にはこれまで日本語でまとめて来たものを英語に直して発表するというものでしたが、英語で発表することでいくつかの気づきがありました。
1つは、言葉の持つ意味の幅の差です。
日本語ではうまく論が流れているように見えても、単純に英語に直すだけではうまく表現できない部分がありました。英語で論を進めることで、どういうことを意味したいのかというのが自分の中で明確になったように感じました。
2つ目は英語で質疑応答に答えることの難しさです。
今回の発表では、先に質問をいくつか受け、まとめて返答するというスタイルで質疑応答が行われました。
一つの質問に対してすぐに答えるというのは大分できるようになったと思うのですが、いくつかの質問のポイントを理解し、まとめて答えることのむずかしさを感じました。
やはり、質問を返すための英語を考えるのに意識が集中し、質問を覚えておくのは意外に難しいことなのだと感じました。
私は2年間ザンビアに派遣されていたという経緯もありますので、英語でも研究をまとめ、日本だけでなく、ザンビアにも還元できるようにまとめていきたいと考えています。
2011年10月28日金曜日
アフリカ教育研究フォーラム
2011年10月17日月曜日
素数様!
私は手に花をもって教室に入ります。
「この花をばらばらにしてみましょうか。花、茎、葉、となりますね」(生徒はだいたい「うわあ、先生残酷う」などと茶化します)
「もっと分けられるかな?」・・・
こんな調子で素数の導入がはじまります。数を掛け算でばらばらにすると最終的に素数になる、つまり物質でいえば原子のようなものだと説明します。
実はこのあと素因数分解という操作にはいるため、「2、3、5、7、11、13、1719、くらいは覚えなさい」という“しょぼい”授業展開になっていました。今日はこんな自分の授業を反省させられるNHKの番組をみました。
みなさんは「リーマン予想」というのをご存じでしょうか。私などは名前くらいで知識ゼロでした。しかしこの知識ゼロ状態がよかったのか、かなりのインパクトを受けた次第です。教師の信念(belief)に影響を与える知識(knowledge)はこういうことをいうのではないか、と思うほどでした。
一見無秩序にあらわれる素数にどのような意味が隠されているのか、リーマンは「ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ」という予想をたてます。以後150年まだだれも証明していません。番組ではこの難問に取り組んだ数学者を紹介。映画「ビューティフルマインド」の主人公もとりあげていました。
リーマン以前にも、素数と宇宙のつながりを直観的に感じているオイラーがいました。いい加減に現れる素数と円周率とが関係があるという発見に驚かされましたが、それ以上に驚いたのはゼロ点の並び方が原子核のエネルギーがおこる間隔と同じ式であらわされていることが、数学者と物理学者との偶然の会話の中で発見されたということです。つまり素数を解き明かすことが確実にミクロな世界を解き明かすことになるというのです。
「素数様!」と呼びたくなるくらいの感動がわき起こりました。と同時にこういう感動を伝えられない自分の授業の稚拙さ、生徒たちへの申し訳なさを感じた次第です。
ラベル: Daily story, 新井美津江
2011年10月7日金曜日
World Teacher’s Day
10月5日ザンビアは祝日でした。
祝日といっても同僚の先生たちと一緒にチョマミュージアムに行きました。
そこではWorld Teacher’s Dayを祝して、チョマのたくさんの学校から先生たちが集まり、歌やダンスが繰り広げられました。
その一週間前、先生達がTeacher’s dayについて話していたので話をきくと、8時に郵便局の前に集合して、
みんなでおそろいのチテンゲシャツを着てチョマミュージアムまでマーチングをしようということでした。
そして、Teacher’s dayの前日、「明日は8時からチテンゲシャツだよね?」と聞きました。
ザンビアでは決めたことがコロコロ変わるのでこの質問が大切なことは知っていました。
すると「いや、チテンゲシャツはやめて白いシャツでキメテ行こう。」ということでした。
やはり、聞いてよかったと思いました。
そして当日、僕は8時と聞いていたので9時半に家を出て10時に郵便局に着くように行きました。
10時に到着してももちろん、まだ始まっていませんでした。
自分もザンビア生活慣れたもんだなと思いましたが、
1つだけ想定外なことがありました。みんな真っ赤なシャツを着ていました。
「え!真っ白のシャツでキメテ行こうって言ってたよね!?」と聞きましたが、
「赤のシャツを配っていたからそれにそろえることにした。」と言っていました。
同僚に会うたびに「どうして、白いシャツを着てるんだ。」と聞かれました。
僕は「どうして、赤いシャツを着てるんだ。」という気持ちでいっぱいでした。
そして、歌やダンスが終わり、最後のプログラムで先生たちの表彰が行われました。
長年働いている先生や、今年で退職される先生たちが表彰されていきました。
そして、僕もHard Working Teacherとして表彰されました!!!
すごく嬉しかったです。写真は表彰されてプレゼントをもらっているときのものです。
ちゃんと白いシャツも着ています。
野中俊和
2011年10月4日火曜日
学会の参加を通して
今回は,最近参加した学会のことについて書きます。先月は,福井大学で開かれた日本教師教育学会に、そして昨日まで秋田大学で開かれていた日本教育方法学会に参加しました。こういった学会は,大学院に入るまで,現場の教師にとって敷居が高いものだと考えていましたが,少数ながらも現職の先生方が参加されており、非常に刺激を受けています。教師教育学会では,自分の研究課題でもある現職教師の変容や教員研修のあり方に関して,最新の研究の流れを学ぶことができました。教育方法学会では,自分の研究発表をしましたが,発表を聞いて下さる方が意外と多く,貴重な意見をもらえました。これまで,授業実践の分析をいかに行うかについて課題としてきましたが,調査・分析ツールに関して新たな視点を得ることができました。また,学会が開かれた福井、秋田は全国学力達成度調査で常に上位にある地域ということで,その背景についての議論があり,非常に興味深かったです。
今後は,10月21,22日に早稲田大学で行われるアフリカ教育研究フォーラム、11月27,28日に東京大学で行われる世界授業研究学会(WALS11)にそれぞれ発表者として参加する予定です。来年からは忙しくなり,なかなか学会には参加できないだろうと考えているので,行けるうちに行っておこうと思います。実り多き秋になるよう、発表準備に精を出したいと思います。
石井洋