先日,広島大学附属中・高等学校で体育祭が開催されました。
僕は昨年度に勤務させて頂いた関係で,非常に愛着を持ち,今年度も行事がある度に足を運んでいます。今年の体育祭のテーマが「つながる」であり,その言葉通り,中学生から高校生,そして教師や保護者を含む観客が全て繋がることによって初めて,体育祭が成り立つんだということを再確認させられました。本校の体育祭は,メディアによる撮影や空撮がされるほどの認知度の高さがあり,非常に有名です。応援団による白熱した応援,全力の笑顔で踊るチア,そして総勢200名弱からなるマスゲーム(mass game)はいわゆる集団行動を応用したもので,言葉で説明できなく,圧巻の一言です。当然ながら僕が1年間指導をした子ども達も高校2年生,高校3年生として参加しており,子ども達が達成感と感動で涙している光景は,そこに青春が反映され,それは僕の青春へと時間の巻き戻しが自動的に行われる程でした。性別も学年も全く関係なく全員が涙するような体育祭に参加できる学校は,他にそれほど多くないことでしょう。僕は本校で勤務させて頂いたことには誇りを持っていますし,子ども達に対しては感謝の意しかありません。ある研究で「教師が明示的に教えるから子どもが学ばない」という旨の論文があるのですが,僕は子ども達と触れ合うことを通して「子どもが暗黙的に教えることは教師が学ぶことへ繋がる」ということを強く感じさせられました。生徒と教師を繋ぐ関係は学習と教授という別次元の関係だけでなく,人間と人間の同次元の関係の方がむしろ大切なのかもしれないことを知りました。
子ども達と出会うことができ,今後僕が研究者になるのか実践研究者になるのか,という嬉しい悩みを抱えていますが,いずれの選択肢を選ぶにせよ,僕の研究領域である数学教育が子ども達の人間形成に対していかに寄与するのかを常に心に持ち続けながら,日々を邁進していきたいと思います。
子ども達の今後の躍進を祈念しながら,文章を閉じたいと思います。
2015年10月3日土曜日
体育祭を通した子どもと自分
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