2月後半から3月中旬にかけて、南アフリカとザンビアへ調査のために行ってきました。特にザンビアは、青年海外協力隊として活動した国であり、今回の訪問は、日本へ帰国後、2年ぶりの「帰国」ということで、感慨深いものがありました。しかし、同時にザンビアの教育の現状を、改めて考えさせられる機会でもありました。
現在、ザンビアの教員研修制度に関して調査しているのですが、今回訪問した学校で、一人の学校長がおっしゃったことばは、非常に印象に残るものでした。
次の表は、その学校の低学年(1年生から4年生)の、各学級の生徒数です。
| A組 | B組 | C組 | D組 | E組 |
1学年 | 62 | 78 | 60 | 65 | 78 |
2学年 | 84 | 94 | 90 | 75 | 104 |
3学年 | 97 | 98 | 97 | 102 | 130 |
4学年 | 111 | 107 | 116 | 119 | 89 |
この学校では3部制が採られていたのですが、それでもこれだけの生徒数、しかも個々の生徒へのこまやかな配慮を必要とする、低学年の学級を受け持つには非常に困難な現状だと思いました。
この点についてその学校長と議論した時におっしゃったことばが、次のものでした。
「MDGs達成があるから、生徒の入学を断れないんだ。」
国際社会の大きな動向や国の意図、この学校が置かれる地域の特色のなど、様々な問題を考慮すれば、このことばを、そのまま受け入れられないところもあるでしょう。それでも、学校現場に身を置く先生方や生徒からすれば、何か「上」の方で行われている議論に、教育を営む「現場」が流されてしまってはいないかという疑問は大きいように感じます。
ザンビアで取り組まれている様々な国際協力活動が、どのように学校現場へ貢献できているのか、考えさせられたことばでした。
木根 主税
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