私事ばかりですが、先日、バングラディシュの留学生が、
夕食に招待してくれました。
日本人7名、バングラディシュ人2名、モンゴル人1名、
ウズベキスタン人1名の計11名が、
ウズベキスタン人の家に集まって、
バングラディシュ料理をご馳走になりました。
スパイスと一緒に炊いたご飯はとてもおいしく、
スパイシーなカレーとよく合いました。
さて、ここで、料理をどうやって食べるのか?
という問題があります。
バングラディシュの場合、本来は手で食べるそうですが、
最近はスプーン等の食器を用いて食べることが多いそうです。
アフリカで手を使って食べる食事には慣れている私、
最初はスプーンを使っていましたが、
途中から手で食べました。
慣れていないと「手で食べる」ということに
抵抗があるかも知れませんが、
手を使うことで、驚くほど料理の味が変わります。
例えばザンビアの主食はシマといいますが、
これをスプーンや箸で食べても、
ちっともおいしくありません。
異文化を味わうために、食ほど根源的なものは他にないと思います。
様々な文化的背景を持った人々が集い、異文化の料理を共に食し、
それぞれの国の文化の話に花を咲かせる・・・
とても貴重で楽しい経験でした。
辻本 温史
2007年12月31日月曜日
最高の調味料
ラベル: Generalなお話, 修了生
2007年12月24日月曜日
日本語とスワヒリ語
って似てるんですよ。
先日、広大のタンザニア人学生M氏とこんな話で盛り上がりました。
というわけで、今日はスワヒリ語について書きたいと思います。
最初に少し解説させて頂きますと、スワヒリ語はバントゥー系言語がアラビア語の影響を受け、タンザニアのザンジバルで発祥したことばです。タンザニア、ケニアの国語である他、ウガンダ、ソマリア、ルワンダ、ブルンディ、コンゴ民主共和国(DRC)、マラウイ、ザンビア、モザンビーク、コモロ諸島などの一部で話されています。マイナー言語といえども、話者は1億人に上るとも言われ、EAC(東アフリカ共同体)のような国際会議の場でも国家元首がしばしば使用します。ローマ字読みのため、日本人にとっては比較的聞きやすく親しみ易いことばかも知れません。日本では「JAMBO」という挨拶が有名かもしれませんが、文法的に意味を成さず、実は現地人も使わないんです。
さてさて、話を戻しますが、このスワヒリ語には、日本語との間で同音異義語がたくさんあり、その相関はとってもユニークです。そのため、現地では日本語が笑いのネタにされることがあり、ある日本語を使って携帯のチェーンメールが出回ったこともありました。タンザニア人のM氏も、最近日本語を勉強し始めその関係を実感し始めたようで、日々楽しく日本語を学習しているそうです。
それではその一部を紹介したいと思います。
これらの名前の日本人はスワヒリ語圏ではブレイク必至です。
Baba=父親・成人男性 Inamoto=熱い Ishi=生きる・住む Kamata=捕まえる Kondoo=羊 Kumi=10 Sakamoto=火を探せ Sato=ティラピア(淡水魚) Shingo=首 Kumasaka=??? Mto=川(単数形) Mia=100 Miwa=サトウキビ(複数形) Tajiri=金持ち Takahara=??? Nakawa=私の苗字ですが、ウガンダのカンパラにNakawaという地名があります。
一方、タンザニアにはこんな名前の方がいらっしゃいます。
Kazimotoさん=直訳すると「仕事熱い」。これはfirst nameなので、子供に勤勉に育って欲しいという具合につけられるようです。
Maedaさん=キリマンジャロ州、Pare族に多い苗字
Katoさん=ヴィクトリア湖西、カゲラ州、Haya族に多い苗字
Masaruさん=ヴィクトリア湖南、ムワンザ州、Sukuma族に多い苗字
日本の地名編:
Kule=あっち Kobe=亀 Mito=川(複数形) Mie=私 Kumamoto=???
その他にも、
asali=蜂蜜 rais=大統領 shoga=??? uso=顔 sumu=毒 soko=市場 damu=血 nani=誰 baka=??? barabara=道路 panda=登る、植える mate=唾
など他にも数え切れないほどの同音異義語があります。
とっても覚えやすいでしょう?
尚、???の意味については個別に対応させて頂きますので御気軽にお尋ね下さい。
中和 悠
ラベル: TANZANIAについて, 修了生
2007年12月18日火曜日
Big job・・・・。
はじめまして。
馬場ゼミの長老中村です。
今回初投稿になります。
このブログは小学校のときの班日記のようですね。
遠い昔を思い出して何だかどきどきします。
閑話休題。
修士時代を含めると西条に住んでもう6年近くになりますが、
先日子供会の行事に同伴したとき、
今まで聞いたこともなかった広島弁に出会いました。
皆さん「はぶてる」って知っていますか?
例えば鬼ごっこをして捕まったときに、鬼になるのがいやでぷいっと拗ねてしまうような状況なんだそうです。家の中では一度も使っているのを聞いたことがないのですが子供たちに聞くと普通に知っていました。
この「はぶてる」も広島市在住だった元後輩や隣県山口ではちょっとニュアンスが違う感じでした。単語1つとってもその土地土地や世代によっていろんな意味がぶら下がるのでなかなか複雑ですね。
ところで、我が家は国際結婚なのですが、
英語や広島弁、お互いの母語(ロジ語と金沢弁)がごっちゃになって中村家語が
公用語となっております。一家で話し出したら部外者は結構理解に苦しむかもしれません。
たいがい子供向けの言葉が多いのですが、分かりやすいところでは、
「Do nene!」 = go to bed = 寝なさい。
「You can do okawari.」 = You can eat more if you like.
= (ご飯、おかずは)たくさんありますよ。
でしょうか。
それでは問題です。次の文章を訳してみましょう。
「He has done a big job.」
ヒント:今までの文章を読むとなんとなく見えてきます。
正解は来週火曜日、この投稿のコメント欄でお知らせいたします。
皆さんふるってコメントください。
いやぁ本当に言葉って奥が深いですね。
それでは
中村 聡
ラベル: Generalなお話, 修了生
2007年12月16日日曜日
山田さん壮行会写真
先日行われた馬場研、山田さんの壮行会の写真をアップします。
山田さんは、2008年1月より、青年海外協力隊員としてザンビア共和国へ派遣され、2年間数学教師として活躍される予定です。 一同ザンビアでの健闘を祈っております!
2007年12月15日土曜日
ダッカ大学講義
今回のバングラデシュ出張中に、ダッカ大学にて公開講義を行いました。
以下簡単に報告します。
ダッカ大学教育研究所(IER)公開講義
日時:11月29日(木)13:00-14:00
参加者:IER所長(ムッタキ教授)、教員、4年生学部生、院生、長岡JICA専門家、馬場合計70名程度
テーマ:
Globalization and Quality Improvement of Primary Mathematics
発表:
世界的傾向としてFacilitatorとしての教師の役割が求められているという話の後、バングラデシュにおける授業の特徴、プロジェクトの活動を説明、その後日本の授業研究の取り組み、そして授業を見せ、最後に両者の対比からバングラデシュの抱える課題として次の三つの点を強調した。
・Thinking & Conceptual Understanding
・Visualization and Quantification
・Discussion based on research
特に若い世代の参加者が多かったので、彼らの課題意識に語りかけるよう配慮した。全般的に非常に熱心に聴き、メモを取っていた。
質疑:
3つの質問があった。
・2部制の学校他、バングラデシュの教育条件は日本のそれとかなり異なるのではないか?
・発表の中で「教科書を教えることを越えて」という表現があったが、それはどのようにすればよいのか?
・バングラデシュの学校では機材が不足しているが、質的改善に取り組むにはどのようにすればよいのか?
(回答)
時間が無いこともあり、三つまとめて回答した。
質問の中にあった日本と諸々の条件が異なるというのはその通りであると思う。ただし、このような発表をザンビアや中国でも行い、類似の質問があったが、「何々が無いから何々できない」という表現は不適切だと思う。たとえば本発表の中でも指摘したが、質問を変えてやることで、授業は変わるし、そのためには機材と言うよりも、教師の意識を変える必要がある。皆さん若い世代の方々が、ぜひ積極的に取り組みバングラデシュの明日を担って行ってほしい。
ムッタキ所長からはこの点について、補足として、問題を自分の問題
として捉えることの重要性を指摘してもらった。
補足:
大学生は全体的に少し日本の学生に比べて年が上のように思えた。出来るだけ一般的な表現を用いた発表をしたが、それでも分からなかった学生もいたようである。限られた時間の中での発表であったために、少し早めに話をせざる得なかった。
所長はぜひ次回はもう少し時間を取って、初等教育の学生をターゲットに話をということであった。
また、所長より中等教育のTQIプロジェクト課長補佐(Zaki Imam氏)に紹介された。今後、中等教育の改善について話し合いの機会を持つこととなった。
所感:
今回の話は、モホシン講師が広島大学・馬場研究室で博士号を取り帰国、ロキア教授が広島大学客員教授を終えて帰国というタイミングに合ったもので、終始非常に和やかな雰囲気の中で行われた。講義後のロキア教授宅での晩餐会を含めて、シニア、ジュニアなスタッフとの交流が出来た。
このような高等教育機関との人的つながりを大事にする必要性を改めて痛感した。今後、IERの若手教員を広島大学に院生として呼ぶ場合も、このような効果が大いに期待される。
専門性に関する議論では、このような長期的視点に立って取り組む必要があるが、そのような議論をする基盤が徐々に整いつつあることを感じた。
※当講義資料は馬場研HPで御覧になれます
http://home.hiroshima-u.ac.jp/babasemi/ → 教員の部屋 → 活動報告
馬場 卓也
ラベル: BANGLADESHについて, Studyについて, 馬場 卓也
2007年12月14日金曜日
帰国しました
ザンビアでのボランティア活動を終えて日本に帰国しました。
2年間でのアフリカの生活は、思ったよりも自分に馴染んでおり、逆カルチャーショックを受けている毎日です。
日本人は色白でとても小さく、痩せていると思いました。
服が、とても暗い色が多く、クリスマス用の照明で輝いている町とは対照的でした。もちろん、クリスマスの照明を見て思ったことは
「電気勿体無い…」
東京に着いて、ビジネスホテルに行きました。
ザンビアの高級ホテルよりも綺麗で驚きです。お湯の出がいい!
コンビニエンスストアに行くと、思わず英語で「Sorry」と言いかけて頬が赤くなりました。
電車やバスが時間通りに出るし、満員にならなくても発車するので、とても変な気持ちがします。(ザンビアではバスは満員にならないと出発しません)
そしてとても乗り心地がいいのです。
・・・そんな私でも、やっと自分の居場所を見つけました。
それは馬場研究室です。
研究室に帰ると、ザンビアで一緒だった先輩が2人、そして周りを見回すと、他の院生も皆海外経験者。
少し日本語がおかしい私を温かく迎えてくれました。
徐々に、日本人としてのリズムを取り戻していこうという澁谷でした。
澁谷 渚
ラベル: Generalなお話, ZAMBIAについて, 澁谷 渚
2007年12月12日水曜日
TOEICより大切なもの
私事ですが、最近、TOEICの勉強をしています。
先日、馬場先生と生協の食堂で一緒になったので、
その話をしたところ、語学力について考えさせられる話を聞かされました。
「ゼミでの英語を聞いてても、
うちの学生はある一定のレベルには達しているけれど、
もうひとつ上のレベルへいかなければいかんよね。」
・・・どういうことかと言いますと、馬場先生によると、
「言葉を適切に使う技術」
「その場で文脈を作る能力」
が足りないそうです。
言葉を適切に使うというのは、
議論をするとき、言いたいことに対して、
適当な言葉を選んで使うということだと思います。
また、例えば難しいことばや抽象的な概念を
より簡単な言葉で説明する能力も含まれているかと思います。
また、その場で文脈を作る能力というのは、
例え初対面の相手や自分の研究のことを全く知らない人が相手でも、
自分の言いたいことや研究について適切に相手に説明できる能力だと思います。
日本語でも難しいこれらの能力ですが、
国際協力の場面において重要な力であることはその通りだと思います。
例えTOEICのスコアで990点取ったとしても、
馬場先生の仰るような能力がついているとは言えません。
つまりTOEICの点数で満足せず、
より高い英語力を身につけるために努力しなさい、
ということなのでしょうね。
もっとも、私はまずTOEICで点数を取るところから
クリアしなければならないのですけれども。
辻本温史
2007年12月10日月曜日
プロジェクトにて
今月頭から、ガーナに来ています。
「ガーナ国現職教員研修政策実施支援計画プロジェクト」(通称、INSETプロジェクト)の一専門家として、現在、教員研修に関するマニュアル作成を主な業務として活動しています。INSETプロジェクトHP:http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/このマニュアル作成における、現在の中心的課題は、「ハーモナイゼーション」。つまり、マニュアルで提案する教員研修のモデルを、ガーナの現行の教育行政や教育制度、そして学校現場にいかに調和させることができるか、という課題です。
ところで、先日、こちらで活躍されている日本人専門家の方とお会いしたとき、「いくら働きかけても、なかなかこの国自体が動いてくれない」と、NGOや各国援助機関の関係者が嘆いていたというお話がありました。その時、頭にパーっと思い浮かんだ疑問として、
「その働きかけは、この国の人たちに、どれだけ適したものだったのか?」
「この国の人たちが本当に求めていたものなのか?」
「単に自分たちの得意な経験を押し付けただけではないのか?」
といったものがありました。もちろん、私自身がその嘆きが発せられた場にはいず、それがどんな文脈の中で出てきたのかを充分理解していないので、こうした疑問を持つのは、失礼にあたることでしょう。
どちらかといえば、こうした疑問は、自分自身の現在の活動に対するものだったように思えます。現在作成しているマニュアルには、研修内容や実施方法、モニタリングや評価の方法など、様々な事柄を盛り込んでいます。こちらとしては、「この国に良かれ」と思って作成していることには違いありません。 ただし、その「良かれ」と思っているものが、この国の人々にとって本当に良いものであるのか?やはり、常に反省し続ける必要があると思います。
「ハーモナイゼーション」という課題は、現在作成している教員研修マニュアルが、ガーナの人々にとって、より適した、求められるものとなるために乗り越えなければならないものだと思います。期間の限られたプロジェクトで一体どれだけのことができるのかは、また別の問題ではありますが、ガーナの人たちと協力し、より良いマニュアルが作成できたらと思う今日この頃です。
P.S.
この教員研修マニュアルに興味のある方がいましたら、以下のHPからダウンロードしてみてください。ご意見など聞かせていただけるとありがたく思います。(ちなみに、プロジェクトでは、このマニュアルは「ソースブック」と呼んでいます。)
ソースブック第1版:
http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/02/news.php?itemid=1686
ソースブック第2版:
http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/02/news.php?itemid=2655
木根 主税
2007年12月3日月曜日
APEC国際会議など
12月9日から一週間、筑波大学CRICEDが主催する、「授業研究」についてのAPEC国際会議に参加してきます。
こんな機会に関東に行くと、馬場研やその他のIDEC修了生に会えるので、とても楽しみです。
ついでにIDECの同窓会in東京もすることにしちゃいました。
その他にも、学会や勉強会などで知り合った人々に会えるので、とても楽しみです。
かなり狭い世界なので、知り合いの知り合いはみな知り合いで、そうすると知らない人はほとんど誰もいなくなります。
人のつながりが作りやすくていいです。
ちなみに、協力隊に参加すると、日本全国からくる参加者と寝食を共にするので、協力隊帰国後は、日本各地に知り合いがいる状態になります。
沖縄から北海道まで、どこを旅行しても、友達の家に泊まれ、そこで接待され、なかなかいいものです。
海外に行っても、ばったり知り合いに会う機会が多々あります。
世界はとても広いけど、人のつながりはその世界をぎゅっと身近なものにしてくれますよね。
内田豊海