今月頭から、ガーナに来ています。
「ガーナ国現職教員研修政策実施支援計画プロジェクト」(通称、INSETプロジェクト)の一専門家として、現在、教員研修に関するマニュアル作成を主な業務として活動しています。INSETプロジェクトHP:http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/このマニュアル作成における、現在の中心的課題は、「ハーモナイゼーション」。つまり、マニュアルで提案する教員研修のモデルを、ガーナの現行の教育行政や教育制度、そして学校現場にいかに調和させることができるか、という課題です。
ところで、先日、こちらで活躍されている日本人専門家の方とお会いしたとき、「いくら働きかけても、なかなかこの国自体が動いてくれない」と、NGOや各国援助機関の関係者が嘆いていたというお話がありました。その時、頭にパーっと思い浮かんだ疑問として、
「その働きかけは、この国の人たちに、どれだけ適したものだったのか?」
「この国の人たちが本当に求めていたものなのか?」
「単に自分たちの得意な経験を押し付けただけではないのか?」
といったものがありました。もちろん、私自身がその嘆きが発せられた場にはいず、それがどんな文脈の中で出てきたのかを充分理解していないので、こうした疑問を持つのは、失礼にあたることでしょう。
どちらかといえば、こうした疑問は、自分自身の現在の活動に対するものだったように思えます。現在作成しているマニュアルには、研修内容や実施方法、モニタリングや評価の方法など、様々な事柄を盛り込んでいます。こちらとしては、「この国に良かれ」と思って作成していることには違いありません。 ただし、その「良かれ」と思っているものが、この国の人々にとって本当に良いものであるのか?やはり、常に反省し続ける必要があると思います。
「ハーモナイゼーション」という課題は、現在作成している教員研修マニュアルが、ガーナの人々にとって、より適した、求められるものとなるために乗り越えなければならないものだと思います。期間の限られたプロジェクトで一体どれだけのことができるのかは、また別の問題ではありますが、ガーナの人たちと協力し、より良いマニュアルが作成できたらと思う今日この頃です。
P.S.
この教員研修マニュアルに興味のある方がいましたら、以下のHPからダウンロードしてみてください。ご意見など聞かせていただけるとありがたく思います。(ちなみに、プロジェクトでは、このマニュアルは「ソースブック」と呼んでいます。)
ソースブック第1版:
http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/02/news.php?itemid=1686
ソースブック第2版:
http://project.jica.go.jp/ghana/0604654/02/news.php?itemid=2655
木根 主税
2007年12月10日月曜日
プロジェクトにて
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