2012年9月10日月曜日

面白きこともなき世に面白く

だんだん涼しくなってきました。蝉が激しく鳴かなくなって、少しさみしくもある。

先月にある学会に参加して、テスト理論の一つである項目反応理論の話を中心に勉強してきた。実用面を意識しながら、数学的に理論が構築されていっている。テストというのは、教育分野においてもさることながら社会的にも影響を及ぼすものである。そのためその基盤にある理論を学ぶことは、大きな意味があると思う。まだまだ勉強が足りないので、頑張りたいと気合が入りました。

今直面することとして、手元にあるデータをいい感じに分析するために、統計的な考え方と実際のカラクリを理解することが課題になっている。定性的・定量的にかかわらず分析力を養うトレーニングを統計学の勉強から得ることが私の考えである。能力不足のため、その習得は私には簡単ではない。

佐伯先生と松原先生の本『実践としての統計学』の中で、とても納得した内容を個人的にアレンジさせていただくと、統計学を勉強すると、「え?だからそれを勉強してどうなるの?」という数理統計学に対してと、「え?なんでそうなるの?」というデータを分析した結果に対する疑問が出てくる。つまり「え??」となる疑問には、「数学としての統計学」に依るものと「実践としての統計学」に依るものとあるのだろう。この2つの違いをはっきりせず持ち続けるフラストレーションは、なかなか手ごわい。特に「実践としても統計学」は、統計を使う文脈によって、その意味や価値が大きく違ってくる。例えば、明日雨が降る降らないと、明日大きな地震が起こる起きないは、同じあるかないかであるが、その意味は全く違う。

個人的には「数学としての統計学」にある数学的な美しさを感じながら、「実践としての統計学」の経験と感覚を磨き、いい勉強を進めていければなと思う次第であります。

余談でありますが、数学的リテラシー育成に繋がる今日の数学教育界の議論は、統計学の2つの側面にあるギャップに似ていると個人的には感じる。「数学を数学として学ぶ」ことと「実践としての数学を学ぶ」ことの関連は、「数学としての統計学」と「実践としての統計学」の難しいさの質の違いを輪郭付ければ、おのずと見えてくるのではないか。なぜなら、数理統計学として数学と統計学は密接な関係にあり、統計学の2つの側面のギャップが数学的リテラシー育成の根幹に近いと思われるからである。

とにかく前向きに、勉強できたらと思います。

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