今まで10年ほどの国際協力研究科の歴史の中、大学祭には参加していなかった模様ですが、今年は初めて参加することになりました。「IDEC Festival」ということで、大学祭のメイン会場である総合科学部ではなく、IDEC前の広場で出店や歌やダンス、写真展に至るまで全てのイベントをやっちゃおう、という、こじんまりしているくせにちょっと大掛かりな企画です。
私たち馬場研は、現在研究室に9名の学生がおり、そのうちモンゴルのオユーナさんを除いてすべてアフリカ東部(6名ザンビア、1名ケニア、1名タンザニア)での2年以上の生活と理数科教師の経験を持っているという、かなり異色の研究室になります。どちらの国でも主食はウガリやシマと言われているもので、とうもろこしの粉を練り上げたものになります。それを手でにぎってくぼみを作り、おかずをいっしょにつまんで食べます。そんなわけで、ぜひ馬場研でアフリカ料理の屋台を!という話があり、シマの屋台を出すことになりました。
今回、私たちのために強力な助っ人が登場してくれました!中村さんの奥様とお子さん3人です。中村さんの奥様は大人数向けの料理は初めてでどうしようと言いながらも予めご自宅で試作をして下さったりしました。前日の土曜日から試作などの準備を手伝ってくれたのは、修了も近く論文などで忙しい辻本さん、そして10月に入ったばかりなのにいろんなゼミの仕事を積極的に引き受けてくれている中和さん。前日はお昼ごろから夕方6時過ぎまでずっと準備をしていました。大量の食材を切ったり、ムードメーカーのお子さんと一緒に遊んだり。。
メニューはシマとそのおかずとしてビーフシチュー、そしてキャベツの炒め煮です。ビーフ3kg、キャベツ4個と、かなりの量になりました。シマはアメ横のカワチヤさんからガーナ産の白いcorn mealを調達。試作を食べた私たちはというと・・・もう、大感動でした!! corn mealはどちらかというとザンビアのローラーミールという、少し廉価で学校給食に出てくるようなものでしたが、まぁそれなりの雰囲気を味わうには十分なものでした。感動的だったのは、ビーフシチューやキャベツが私たちがザンビアで食べて以来ずっとずっと食べたくて、でも日本では出せない味だとあきらめていた、近所で食べさせてもらっていたそのものの味だったことです! 中和さんと辻本さんと3人で、「うっわー!」「やべー!」「うまー!!」を繰り返していました。
当日の11月4日(日)がやってきました。とは言え、私たちは不安でいっぱいでした。今でこそ、シマの味が懐かしくて大好きで仕方のない私たちですが、ザンビアに行きたてのころは、油を大量に使うシマのおかずや、シマ自身の独特の匂いなどに慣れず、苦労した記憶もあります。各国から来る留学生や日本人の来場者がシマを買ってくれるか、果たして完売するのか。また、大量のシマを本当にこねられるのか。
当日は朝早くから、やはり修論で忙しい有馬さんも加わり、私たちの屋台はスタートしました。お肉やコンソメなどは、池田研のマレーシアからの留学生がHALALのものを用意してくれたので、イスラム教の留学生も十分楽しめるはずです。
最初は不安な中でスタートした屋台も、看板娘の中村さんのお嬢さんに助けられ、また有馬さんはシマの宣伝をしお客さんを獲得する、営業力という隠れた才能を遺憾なく発揮し、前日からのメンバーの中和さん、辻本さんも含めがんばった結果、4つの屋台の中で一番乗りで完売することができました。特に、アフリカ体験者には本当に懐かしい味となり、またはじめて恐る恐るシマを食べる人にとっても「和菓子でこういう味あるよね?(落雁のことでしょうか)」とか、「ふぅん」とか、まぁいろんな感想を持って食べてくれたようです。特にキャベツとビーフシチューは大人気でした。私たちが楽しんでいたシマを皆さんにも楽しんでいただけたことは、我々メンバーにとってもとてもうれしい体験でした。馬場研の隠れメンバーである、研究員の加藤さん作成のザンビアプロジェクト紹介パネルも学部生などが興味を持って見ていました。そして、辻本さんの関西パワーで多くの人がザンビアプロジェクトのチラシをもらって帰っていきました。
また、プログラムではパフォーマンスがあったのですが、辻本さんと私はザンビアの歌を披露したのですが、その時には中村家の末っ子と奥様がダンスに参加してくれたり、ザンビア式の掛け声「(高い声で)オ〜ヨヨヨヨヨヨヨヨ」を入れて盛り上げてくれたりと、楽しいイベントになりました。その他の留学生やそのご家族による、バングラやウズベキスタン、スリランカなどのダンスや歌でも本当に授業とは違う一面を見ることができ、イベントは大成功のうちに終わりました。
今回の屋台は、中村さんの奥さんと、最初から最後までお店番をしてくれた看板娘の中村さんのお嬢さんの助けなくしては成功できませんでした。中村さんの奥様には、「みんなで協力して完売して成功して、本当によかった!」と言っていただき、貴重な土日を頂いたにもかかわらず、本当にこちらとしても感謝でした。
その他のメンバーであるオユーナさんは、モンゴルの移動式住居、ゲルの中でモンゴルの紹介を担当し、離れた場所にいる写真展担当の平川研究室Sさんのところに馬のミルクなどを運んでくれるという、細かな気配りも忘れませんでした。木根さんはガーナから帰ってこられたばかりなので、御実家にお元気な顔を出されていました。また内田さんは広島市内で行われた別イベントのIDECブースで新しい仲間を探すべく宣伝をがんばっていたそうです。中村さんはバングラプロジェクトの仕事で日本を離れていますが、奥様とお嬢さんを励ますべく準備中に電話をくださいました。馬場先生は学会に参加されていました。11月4日は国際協力の日ですが、馬場研メンバーは各所でそれぞれ頑張っていたようです。
山田 恭子
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